「話せる」って何やろう?

Chizuko COLUMN 話英楽の道 ~わえらのみち~

「あなたは英語を話せますか?」。これは前回最後に書いた言葉。今回も「私、英語話せるんちゃう?」というお話にご招待。

 私はホームステイ先に帰る為にバスに乗っていました。席はボックスシートの奥。そこに三人の男性が乗ってきました。かなり体格のいい男性達で、両手に派手なTattooがあります。その男性達は私が一人で座っていたボックスシートに。何となく怖いような気がしてきます。私が一番奥だったので、他の席に移るにも勇気がいります。「目を合わさないようにしよう」と思っていました。その時、一人の男性が聞いてきたんです。Are you Japanese? と。

英語って不思議です。語尾で雰囲気が変わる、という事がありませんから、勝手な妄想で自分が雰囲気を決めてしまうところがあります。「君、日本人なの?あなたは日本人ですか?お前日本人か?」。英語ではどれも同じ。すでに意味もなく怖くなっている私は「お前日本人かよ」というちょっと怖い感じで聞いていました。勝手な妄想ですけどね。怖そうに聞こえたのです。私は「Yes」と。「ああ、最悪…誰か助けて~」これは私の心の声。そして次に彼に言われた言葉は、「僕日本語話せるんだ。聞いて!I speak Japanese. Listen!」

私は全く想像と違う会話にしばらく無言。ハっとして「OK」と言いました。そして彼が言ったのが次の言葉。「こんにちは。ありがとう。トヨタ、日産。すごい?Great?」すごい?は英語で。もう、おかしくて。急に彼が可愛らしく思えて。「すごい、すごい」と拍手しました。

 確かに彼は、「僕日本語話せる」って言ったんです。あの時の彼の誇らしげな顔。すでにお分かりと思いますが、彼の日本語はこんにちはと、ありがとうだけでした。その2つの言葉で、バスで初めて会った日本人らしき私に声を掛け、自分の日本語を披露する。その感覚にすごく感動したのを覚えています。そして、また思った訳です。じゃあ、私は英語ペラペラやな、と。

 何が言えたら「話せる」と言えるのでしょう。それは誰が決めているのでしょう。そう、自分自身。自分の「話せる」に制限をかけているのは自分なんですよね。今回も最後に聞いてみたいと思います。

 「あなたは英語が話せますか?」

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