ホストマザーからの試練

Chizuko COLUMN 話英楽の道 ~わえらのみち~

ある日朝起きると、ダイニングテーブルの上に、一枚の紙が。それはホストマザー、リーランからの手紙でした。

 私のホストマザーはスウェーデン人の女性でした。英語を母国語とする人ではありません。幼い頃移民した後に英語を習得した人です。その為でしょうか、私の英会話上達に非常に協力的でした。今考えるとそう思えます。当時はそれがプレッシャーや厳しさに思えて、つらいことも多かったのですが。

 さて、私が見つけた手紙には彼女からの指令が。「私は朝からゴルフに行っています。午後からChizukoと行きたいところがあるので、ゴルフ場近くのバス停で待ち合わせしましょう。バスで一時間程度です。この予定をキャンセルする場合はゴルフ場に電話して伝言しておいて。」そして、ゴルフ場の電話番号が。「ええ!電話で伝言なんて出来ない。行くしかない。ああ、困った。困った、困った・・・」と頭には渦巻いています。現地のバスは乗るのはいいのですが、降りる場所が難しいのです。どうしてもバスの運転手さんと英語で話をするしかないんです。「ああ。どうしよう。」と不安ばかりが押し寄せてきます。

 が、覚悟を決めて準備をしました。約束まであと3時間。2時間前に家を出ると決めました。1時間前について街を歩くのもいいだろうと思いましたし、何より無事にたどりつけるか、不安でした。出発までにすべきことは一つ。バスの運転手さんに言う言葉の台本作り!オーストラリアのバスは車内放送はありませんし、バス停に大きく名前が表示されているとは限りません。運転手さんに、行きたい場所を伝えて、着いたら教えてもらうしかないのです。入念な準備が必要です。台本を書いて、何度も練習をして、念のために台本も持参することにしました。

 これは本当にいい経験でした。この指令をくれなかったら、絶対に一人ではチャレンジしなかったことです。案内や情報が豊富な街へ買い物に出かけたり、観光地に行ったり、とは違うだろうと思うと、心臓が口から出そうなほどの緊張でした。

 緊張の中準備をして出発。どんな珍道中が待っているのか、次回のお楽しみ。

 今日のポイント「試練を歓迎する」

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